山猫文庫第3版

書評と軍事史関連のレポート、その他ニュースを見て感じたことなど日常のあれこれについて。 

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四人の軍令部総長

 最近、戦争ゲームに、はまっています。というと、なんとも人聞きが悪い感じですが、面白いので仕様がない。
 具体的には、スーパーロボット大戦というシリーズの、古いのを引っ張り出して遊んでいます。まだシステムの完成度が低く、不親切設計なのですが、これがどういうわけか、結果として絶妙のゲームバランスを生んでしまってるんです。ジャンルとしては、戦術シミュレーションということになるのでしょう。
 戦争ゲームとひとくくりにしても、戦術レベルなのか、戦略レベルなのかという違いがあります。簡単に言うと、一局面での軍隊と軍隊の勝敗を争う作戦が「戦術」、国と国の勝敗を決める大局的な作戦が「戦略」。究極の外交手段として戦争を活用して、いかに国家の目標を通すか考えるのが戦略。
 例えば、「大戦略」というゲームがありますが、これ看板は嘘で戦術シミュレーションです。戦車の動かし方を考えてるだけですから。戦略を名乗るからには、どういう形で戦争を終わらせるのかを考えて、その結末にいかに相手を追い込むのかを扱わなければならないはずなんですが。本気でそれをゲーム化したら、死ぬほど面倒くさいでしょうけれど。


吉田俊雄「四人の軍令部総長」
             (文春文庫,1991年)

総合評価:★★★★☆
 陸軍参謀本部と並ぶ、海軍側の最高機関「軍令部」。太平洋戦争中、そのトップである軍令部総長を務めた四人の提督を描き、海軍の戦略を分析したノンフィクション。
 著者は、元軍令部員の海軍中佐。
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葡萄酒と潜水艦

 ボジョレヌーボー解禁なんてテレビで取り上げられていたのも、もう大分前になりましたか。
 みんな初物好きだねえなどと、あまり気にしていなかった私も、昨日、思いがけず、飲む機会に預かれました。大学時代の友人が急に遊びにやってきて、その手土産で頂戴したのです。
 「美味しいねえ。ただのジュースみたいだねえ。」と、褒めてるのかけなしてるのかわからないことを言いながら、夕飯の時に一緒に飲んでしまいました。
 ジュースなどと感じたのは、味自体の問題もあったろうことでしょうが、それ以上にペットボトルに入っていたのが良くないのかも知れません。量り売りをしているお店で買ったそうですが、容器をビンにするか、ペットボトルにするかと聞かれて、迷わずペットボトルにしたとか。もしもコルク付の重いビンに入ってさえいれば、いかにも葡萄酒という感じで、ジュースなんていわれないで済んだかもしれません。

 関係ないですが、ワインでなく「葡萄酒」というとなんともかっこいいと思います。
 小さい頃、「にんじん」とか「ナルニア国物語」とかを読んでいて、葡萄酒という飲み物はなんと美味しそうなんだろうと思っておりました。「三銃士」に出てくる「ブルゴーニュ産の葡萄酒」なんて、垂涎ものでした。
 そういう本を読む限り、子供でも飲める飲み物のようでしたから、私も飲んでみたいと思っていたわけなのです。当時、小学生。学級文庫の「にんじん」を読んでいる生徒が、「酒飲みてえ」などと思っていたとは、まさか先生もお気づきではなかったでしょう。
 後年、ワインとそれが同一物だと知って、大変残念でした。知らぬまま、赤毛庵のダイアナのようになるよりは良かったかもしれませんが。
 案外、ジュースみたいなボジョレヌーボーが、昔思っていた葡萄酒に近い味なのかもしれません。

 ボジョレヌーボーも、飲めば寿命は延びるのかという話。戦時中、音探(ソナー)の発振素子にワインから取った酒石酸の結晶が使われた話。酒石酸を取ってしまった後のワインは美味しかったのか、いや不味いだろうなどと言う話など、実に馬鹿な話をしつつ、ペットボトルを空けました。

水域

 肌の乾燥が気になる今日この頃、いかがお過ごしのことでしょうか。
 私は、唇が荒れ果てて、飲み物がしみて困っております。唇の皮が少しささくれ立ってカサブタ風になると、それを無意識のうちに歯ではがしているのが、さらに症状を悪化させている気がします。
 そこで今日は、たっぷりと潤いのある、あるいはじとじとと湿った本をご紹介しようと思います。


椎名誠「水域」
        (講談社文庫,1994年)

水域 (講談社文庫)総合評価:★★★☆☆
 完全に水に覆われ、凶暴で危険な生物に満ちている世界。
 青年ハルは、湿ったおんぼろ筏で、一人水面を漂う。時折出くわす他の男たちに、だまされたり、もてなしをうけたり。
 ハルはいつしか、巨大な浮島に流れ着く。ハルの船は流木に押しつぶされ、あえなく失われてしまう。そして、ハルは、島で一人の美しい女に出会う……。

長崎海軍伝習所―十九世紀東西文化の接点

 またも軍隊飯の話を。自衛隊の軍用糧食が、新潟震災などで救援物資に使われて、なかなか好評だったそうです。おこわが美味しかったとか。
 もっとも、自衛隊が提供した一番のご馳走は、そんなレーションではなく熱いお風呂だったとも聞きますが。
 どちらにしても、熱いお風呂に米の飯と、いわゆる日本的なものが良かったようです。極限状態であればあるほど、カロリーだけじゃなく、心の栄養も大事だなあと思うのです。パイロット用非常食に付いてくるという、「がんばれ。助けは必ず来る。」の紙とか。


藤井哲博「長崎海軍伝習所―十九世紀東西文化の接点―」
                       (中公新書,1991)

総合評価:★★★★☆
 幕末、海防の充実を図る江戸幕府は、オランダの協力を得て、日本初の洋式海軍学校「長崎海軍伝習所」を設置した。その卒業生らは咸臨丸の乗組員となり、また様々な活躍をしていく。その実態と成果、後世への影響について、海外文献を含めた多くの資料からまとめる。

泥水すすり草を噛み

予期していなかった、大学時代のサークルの先輩をお迎えして、とても幸せな気分です。
 学生時代からそうでしたが、いかにも仕事ができる素敵な方で、きっと会社でも活躍されていることでしょう。微かによい香りがして、話しているとついつい顔が赤くなって弱りました。

 さて、まったく脈絡なく、昨日の記事を書いていて思ったこと多少。
 現代の戦闘糧食のなかなかおいしそうな写真を見るにつけ、対するにあまりに悲惨な第二次大戦中の日本軍の食糧事情が思われて、暗澹たる思いにとらわれました。
 銃後の国民にもまともに食わせられなかったのだから、兵士も餓えて当たり前という末期のことはさておいても、恒常的な補給体勢のお粗末さには参ります。現地自活や徴発という話がよく出てきます。人口の多い中国戦線ならともかく、陸軍が本来想定していたシベリアでの対ソ戦では、一体どうするつもりだったのやらと疑問です。まさか、ジンギスカン作戦ですか。だとしたらトナカイが欲しいですね。
 もちろん、全く無策というのは嘘ですね。昨日紹介した「戦場糧食の三ツ星をさがせ!」にも少し出てくるのですが、圧搾口糧という日本版レーションも開発はされていたようです。以前、別の本で、人道的な将校が、とっておきの圧搾口糧を捕虜に与えたところ、「日本軍は人間の食料にも困っているのに、馬のえさはずいぶん上等ですね。」と勘違いされたというエピソードを見た記憶があります。

 風船羊羹・ゴム羊羹というのがあります。風船のようなゴム袋に羊羹が詰めてあって、丸い玉のようになっているお菓子です。ちょうど舟和のあんこ玉くらいの大きさで、爪楊枝で刺すとつるりとゴムが割れて、中身が食べられる仕掛けです。
 どうも、あれは元々、日本軍がパイロット用に開発したものらしいです。なるほど、あれなら操縦しながらでも食べられそう。
 小さい頃に、おみやげで頂戴した記憶があるのですが、今はどこで手に入るのでしょうね。さっそく、先輩にも聞いてみたところ、北海道ではマリモ羊羹と称して売っているらしいですが。
 グーグルで調べたところ、妙な副産物が手に入りました。「ゴム風船入り食品の風船口部結束装置(特許第2951879号)」。詳しくは、「IT.gem」社のこちらのページをご覧下さい。

 今日の記事は少々飲んでから書いているので、おかしいところがあるかもしれませんが、思えばいつももそう大したものでもないので気にしない方向で。

戦闘糧食の三ツ星をさがせ!―ミリタリー・グルメ

大久保義信「戦闘糧食の三ツ星をさがせ!」
                  (新装版、光人社、2002年)

戦闘糧食の三ツ星をさがせ!―ミリタリー・グルメ総合評価:★★★★★
  各国軍隊が、戦場での携帯食料として開発した「戦闘糧食(コンバット・レーション)」を、軍事誌記者が試食して採点した、異色のグルメ本。採点基準は、量・味・調理性・携帯性の4項目につき各4段階。
 収録は、日・米・英・仏・独・伊・加・豪・露・西・台湾・スウェーデン・ウクライナ・デンマーク・ポーランド・フィンランド・クロアチア・ベルギー・マレーシア・シンガポール・リトアニア・ノルウェーの22ヶ国の27種+難民援助用3種。
 著者自ら戦地で兵士と触れ合ってレーション入手までのエピソードと、多数の写真とともに送る。

山烏賊

警告
 これから記す文章は、そこそこ気色の悪い内容です。虫嫌いの方、お食事中の方、ことにイカを召し上がっている方ご注意下さい。

 昨日夕食の支度をしようと、水菜を冷蔵庫から取り出したところ、

カリスト―開戦前夜―

 11月の異名は霜月です。
 「霜月騒動」という歴史上の事件があります。鎌倉時代の中期、安達氏が将軍の座を狙っていることが「発覚」して、クーデター未遂事件として鎮圧されたのですが、どうも北条氏による謀略だったらしく、濡れ衣というのが通説のようです。
 名前の通り、この事件が起きたのは旧暦11月霜月のこと。そして、その当時安達氏のトップだった安達泰盛が討たれたのが、今日11月17日(旧暦)だったといいます。
 そんな、720年前の謀略事件の日に、今度は93年後の西暦2098年の謀略事件をお届けします。


谷甲州「カリスト―開戦前夜―」
             (ハヤカワ文庫,1988年)

総合評価:★★★★★
 21世紀末、木星・土星の衛星カリスト等に建設された外惑星植民地は、密かに軍事同盟を結ぶ。仮想敵は、地球の軍事組織「航空宇宙軍」。しかし、宇宙船建造を制限され、経済的にも劣る外惑星軍は、航空宇宙軍には到底及ばない。
 外惑星軍の動きをなぜか察知していた航空宇宙軍は、強力な艦隊を派遣し、軍事施設への査察を要求。これに対し、主戦派のカリスト軍は、限定戦争をも辞さずとし、奇襲作戦を目的とした初の陸戦部隊「陸戦隊」の組織に踏み切る。

ツェッペリン飛行船

 とても気持ちのいい、澄み切った秋晴れの一日でした。
 真っ青な空に、白い飛行機雲が鮮やかです。最高です。
 いえ本当のところは、飛行機ではなく、飛行船が飛んでいたら最高なのにと思うのですが。


柘植久慶「ツェッペリン飛行船」
            (中央公論,1998年)

ツェッペリン飛行船 (中公文庫)総合評価:★★★★☆
 短い飛行船黄金期を綴るノンフィクション。写真多数を収録。
 アメリカ南北戦争を観戦していた一人のプロイセン陸軍士官がいた。彼の名は、フェルディナント・フォン・ツェッペリン伯爵。戦場で気球を眼にした彼は、飛行船という考えに取り付かれてしまう。
 「阿呆伯爵」と呼ばれながらも、ついに全長126mの巨大飛行船を進空させることに成功する。時に十九世紀最後の年、西暦1900年7月2日。
 優秀な助手エッケナーの力もあり、以後、飛行船は、空の女王の座に君臨する。戦略兵器として投入された第一次世界大戦、日本にも寄った世界一周飛行。
 しかし、急速な飛行機の発達は、飛行船を追い抜いてゆく。そしてヒンデンブルク号の悲劇により、飛行船の時代は終焉を迎えるのであった。

私記キスカ撤退

 昨日は主に陸軍側の視点からのキスカ撤退作戦だったので、バランスを取る意味で今日は海軍側から。


阿川弘之「私記キスカ撤退」
           (文春文庫,1988年)

総合評価:★★★★☆
 表題作ほか短編3作、極短編7つからなる短編集。

私記キスカ撤退
 キスカ島(鳴神島)救出任務に直接あたった部隊の、ひとつ上級の司令部にあたる第五艦隊の様子を描くことを趣旨としたノンフィクション。隠密行動に適した濃霧を予測するために、第五艦隊に特別配属された気象予報担当の少尉の苦心ほか。

アッツ紀行
 筆者が取材のため、実際にアッツ島を訪れた際の記録。

山本聯合艦隊司令長官殿
 山本長官宛の手紙と言う形で、彼が軍縮会議の裏で読んでいたという「名著」の正体を「エロ本」だと明かす極短編。

青い眼の長門艦長
 接収された日本海軍最後の戦艦を回航した米海軍大佐と会って。
プロフィール

山猫男爵

Author:山猫男爵
ここは「塹壕文庫」「山猫文庫第二壕」に続いて三代目のブログになります。
連絡したいことがある方は、記事のコメント欄か、サイドバー下方のメールフォーム、あるいはツイッターから、お気軽にどうぞ。
Twitter:baron_yamaneko

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