山猫文庫第3版

書評と軍事史関連のレポート、その他ニュースを見て感じたことなど日常のあれこれについて。 

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リーフ共和国興亡(第5回)

4.リーフ共和国建国
 アンワールでスペイン遠征軍を壊滅させたリーフ軍は、メリリャへ向けて追撃を開始します。街道沿いに築かれていた駐屯地は、勢いに乗るリーフ軍の前に、ことごとく陥落しました。

 9月中旬、リーフ軍主力は、ついにメリリャ郊外の丘陵にまで押し寄せます。東部方面のスペイン軍は、土俵際まで追い詰められた格好です。
 メリリャを守備するスペイン軍も必死でした。本土から増援を送り込み、敗残兵を再編したほか、西部からも外人部隊主力を転用。さらに市内の民間人を根こそぎ動員して、なんとか8個大隊を用意します。沿岸には、海軍艦艇が展開して火力支援に当たりました。前線までの距離が短くなったおかげで、メリリャ飛行場の航空部隊もようやく実力を発揮し、かろうじてリーフ軍を阻止することに成功します。
 ただ進撃を食い止めるのが精一杯で、山岳に拠るリーフ軍部隊を追い払うことは容易にはできませんでした。ここでもスペイン軍の損害は、数百人に及んでいます。外人部隊司令官ミリャン・アストレイ少佐も狙撃され重傷を負いました。副長のフランコ少佐が、臨時に指揮を執ったようです。
rif_map1.png
   (当時のモロッコ北部の地図。仏領には東西に走る鉄道など交通網あるも略。)

 こうして、メリリャと若干の島嶼だけを残し、スペイン領モロッコの東半分は、リーフ族の実効支配下に移りました。この時点をもって、リーフ共和国が事実上成立したとみることもできます。
 スペイン軍撃攘に成功したアブデルクリムは、予定していた新国家構想を次々と実行しようとしました。
 英国やフランスをはじめとした各国に承認を働きかけます。その最大の武器は、スペインが開発していたリーフ山脈の鉱山でした。鉱山利権を担保に、承認や借款を得ようという交渉が、極秘裏に進められます。特にアメリカが、かなり好意的であったようです。
 コミンテルンの支援を取り付けることもできました。
 スペインに対しては交渉による独立容認の余地を残そうとしていたようです。アブデルクリムは、1921年12月と1922年8月の2回に渡り、次のような声明を新聞に寄稿していました。「リーフはスペイン人民を憎んでいない。軍事的侵入以外は憎んでいない。」

rif_flag.png そして、1923年1月18日(2月1日?)、アブデルクリムは、念願のリーフ連合共和国の建国を正式に宣言します。モロッコ王家のスルタンからも独立し、大統領を元首に、首相以下を置き、大統領にはアブデルクリム自らが就任します。首都は、アルセマス湾からやや内陸に入ったアジール Ajdirと定められました。画像は、リーフ共和国の国旗です。
 国家による承認があったことは、私には確認できていません。代わりに、コミンテルンは、直ちに新国家を承認してくれたようです。
 国際連盟への加盟申請もしたようです。(第6回へ続く
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