山猫文庫第3版

書評と軍事史関連のレポート、その他ニュースを見て感じたことなど日常のあれこれについて。 

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世界のミリメシを実食する―兵士の給食・レーション

 神保町の祭りに行って来て不思議だったのが、レトルト食品の露店が出ていたことです。本を買いに来た人が、このシチュー美味しそう、などと買うとは思えないのですが。実際、繁盛している気配は無く。


菊月俊之「兵士の給食・レーション 世界のミリメシを実食する」
                 (ワールドフォトプレス,2006年)

世界のミリメシを実食する―兵士の給食・レーション (ワールド・ムック (612))総合評価:★★★★★
 アメリカ独立戦争から来年導入予定の最新型まで、古今東西の軍隊食事情を、全ページカラーの豊富な写真・絵画とともに一望する楽しいムック本。
 いわゆる「レーション」の携帯糧食は、各国現用の19種類を紹介するほか、過去の戦場で用いられたものも、歴史として振り返る。
 さらに、平時の給食や調理器具などについても。自衛隊のお誕生日食、コーヒーミル内蔵型小銃、ロシア宇宙軍用ストーブなんてご存知であろうか?
 以前に「戦闘糧食の三ツ星をさがせ!」という本をご紹介したこともありますが、軍隊の食というのは、なかなか興味深い世界です。

 「戦闘糧食~」が携帯食に的をしぼった構成だったのに対し、本書は、本来の意味での「レーション」つまり軍隊飯全般を対象とした内容です。
 そのため、携帯口糧については、「戦闘糧食~」に比べるとあっさりした取り扱いです。19種類の紹介といっても、各種類に付き本来は多数存在するメニューのうちの1つずつのみの登場です。
 但し、陸上自衛隊についてのみは特別コーナーが設けられ、戦闘糧食I型とII型のメニューすべてが紹介されています。

 本来、レーションという語は、兵舎での日常食(Aレーション)などまで含めた広い意味の言葉であり、本書はそこまで射程に含めています。
 具体的には、陸上自衛隊と米陸軍を中心に、兵舎での日常食と、野戦炊事が紹介されています。といっても、食事メニューは、ごく一般的な食事と大差ないですけれどね。フィールドキッチンと呼ばれる野戦炊事装備や、野戦炊事用の大型保存食などが面白いです。50人分の巨大ケーキの缶詰らしき写真など。

 さらに歴史面についてのコーナーが設けられています。米軍中心に18世紀以来の流れを見ていきます。第二次大戦中、英軍が紅茶3000万tを買い占めたなんてエピソードも。
 戦場での炊事・食事風景の写真が多くて良いです。旧日本海軍に関しては以前に紹介した「海軍めしたき物語」という名著がありますが、陸式ではこうなのかと雰囲気がわかります。

 このほか、飯盒や水筒等の周辺器材、タバコなどの同梱品(アクセサリー)その他、食事周辺の事情も面白いです。

 本の構成を見ると、まとまりがいまひとつで残念です。「レーションの歴史」「レーション今昔」など別立てにしないで、まとめられなかったのでしょうか。
 写真の多さは、本当にきれいで楽しいです。但し、解説が必ずしも付いていないので、この料理は何だろうと悩まされる部分が。
 非常に良いと思ったのが、「チョコレート」「調味料」などテーマごとに世界各国軍の制式品を並べたコーナーです。メスキット(食器)についても同種コーナーが有り。スプーン一つでも色々あるのだな、と大変興味深いです。

総合評価:★★★★★(南北戦争などの軍隊クッキングのレシピ付)
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