山猫文庫第3版

書評と軍事史関連のレポート、その他ニュースを見て感じたことなど日常のあれこれについて。 

サイパンの特殊潜航艇?

 ネット上で妙な写真を見つけました
 http://www.ww2veteran.com/Saipan53.jpg
 キャプションにはサイパン島で鹵獲した日本軍の小型潜水艇とあります。たしかに、移動用の台車に載った、司令塔とスクリューの付いた小さい潜水艇に見えます。

 日本軍の小型潜水艇というと、真珠湾攻撃に使われた「甲標的」や、人間魚雷「回天」がありますが、それらとは別物のようです。「甲標的」ならサイパン島のあるマリアナ諸島に展開していたようで、グアム島の博物館に展示されている艇もありますが、写真の「潜水艇」よりもずっと大きい。

 船体の輪郭を見る限り、どうも水上機のフロートを改造したものに見えます。「艇尾」の方の形から、直感的には水上偵察機「紫雲」の主フロートのような気がしますが、自信は無いです。あれならば取り外しが想定されていますし、余ってるものがありそうです。ただ、「司令塔」はフロート支柱そのままにしては前後に短すぎますか。
submarine.png

 側面に大型のハッチらしいものが見えますが、機関の体積を考えると、ちょっと中に人が入れるとも思えません。点検用のハッチでしょうか。たとえ中に人が入れたとしても、耐圧性能というほどのものは無いでしょうし、浮力調整機構もあるか怪しい。まともに潜水できるとは思えません。

 私見としては特殊部隊上陸用の水中スクーターの類のような気がします。
 サイパン島には、日本海軍の特殊部隊である佐世保鎮守府第101特別陸戦隊がしばらく駐留していたので、その装備品だったと考えるともっともらしいです。佐101特は、もともと空挺部隊として編成された横須賀第1特別陸戦隊の一部を、サイパン駐留中の1944年1月に大型潜水艦で輸送される奇襲部隊(通称「S特」)に改編した部隊です。
 ただ、耐圧性能がある器材にも見えないので、潜水艦に搭載できたか少し疑問はあります。佐101特の上陸用器材としては、潜水艦に搭載可能な改造大発動艇(上陸用舟艇)を装備していたそうです。艇底に大穴を開けて海水が素通りするようになっていて、使用前に蓋をはめるようになっていたといいます。これと同じように潜水時には水密性を無くして、水圧問題を解決していたのなら問題はないです。水陸両用戦車でも、同様の方式で潜水艦搭載可能にしたものがありますから、十分ありうる気はします。大きな側面ハッチから機械類は取り外せそうです。
 さて、こんな仮説を立ててみましたが、どうでしょうか。どなたか正解をご存知の方がおられたら、是非教えてください。

参考文献
山辺雅男 『海軍落下傘部隊』(鱒書房、1956年)
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