山猫文庫第3版

書評と軍事史関連のレポート、その他ニュースを見て感じたことなど日常のあれこれについて。 

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スペイン内戦と海軍(第7回)

3.内戦に参加したスペイン艦艇の一覧(承前)
(4)小艦艇・特務艦の部

「カノーバス・デル・カスティーリョCánovas del Castillo」級スループ:保有数3隻(戦没艦1隻。但し復旧)
dato.jpg スペイン海軍の正式類別では砲艦Cañoneroで、いわゆる植民地警備スループの類である。メキシコ海軍に準同型艦3隻が輸出され、2001年まで海軍籍にあった。
 「エデュアルド・ダトEduardo Dato」(右画像)は国粋派所属。序盤の陸兵輸送や船団護衛に従事するが、戦艦「ハイメ1世」に撃沈される。浮揚再就役。
 他の2隻「カノーバス」「カナレハスCanalejas」も共和派所属。一部の兵装を、特設艦艇用に供出したという記述があるが、その後の時期でも普通に活動は続いており真偽不明。
 満載排水量1335t、速力15kt、102mm×4、76mmAA×2

「レカルデRecalde」級スループ:保有数2隻(戦没艦1隻。ほか戦前に退役2隻)
 警備スループ。内戦時現役は、「ラヤLaya」「ラウリアLauria」。
 「ラヤ」は共和派に所属し、ドイツ機の空襲で撃沈される(1938年6月15日)。
 「ラウリア」は国粋派所属。ほとんど活動せず。
 満載排水量811t、速力14kt、76mm×4

「カルボ・ソテロCalvo Sotelo」級スループ:保有数1隻(内戦中完成)
calvo_sotelo.jpg 国粋派所属。本来はメキシコ海軍艦「サカテカスZacatecas」として発注を受けて建造中だったが、内戦勃発によりカディスで接収。1938年就役。艦名の由来は、その暗殺が内戦のきっかけとなった右翼政治家の名である。
 なお、同型艦「ドゥランゴDurango」は内戦直前にメキシコ海軍に引き渡され、2001年まで海軍籍に健在。内戦中には、密かに政府軍への援助物資輸送に使われたようである。
 満載排水量2000t、速力20kt、102mm×4、76mmAA×2

「T1」級水雷艇:保有数13隻(ほか退役済9隻)
portmao.jpg 第一次大戦前に建造開始された旧式水雷艇。一部は退役済で、現役艦も稼働状態微妙。内戦前半には比較的活発に行動し、哨戒や墜落機の乗員救出などに従事。画像は1920年代にメノルカ島マオン軍港に碇泊中の同級水雷艇。
 共和派保有は「T3」「T4」「T14」「T16」「T17」「T20」「T21」「T22」の8隻か。「T3」はフランスへ脱出時に座礁放棄。「T14」は火災放棄。「T20」~「T22」は、敗戦時自沈。
 国粋派保有は「T2」「T7」「T9」「T18」「T19」の5隻か。一部資料では「T8」もあるが、退役済と思われる。「T2」は座礁放棄。
 満載排水量180t、速力26kt、47mm×3

「ユピテルJúpiter」級敷設艦:保有数4隻(全て内戦中竣工)
 「ユピテル」(1937.1就役)、「マルテMarte」(1938就役)、「ネプチューノNeptuno」(1939就役)、「ブルカノVulcano」(1937.1就役)。
 全艦が、エル・フェロルで未成状態のまま国粋派に捕獲される。
 満載排水量2600t、速力18.5kt、120(102?)mm×4、76mmAA×2、機雷264基

「デダロDedalo」級水上機母艦(内戦時退役済。戦没)
dedalo.jpg 独商船「ノイエンフェルスNeuenfels」改装。リーフ戦争では実戦で活躍したが、内戦前の1935年には退役して係留状態となっており、内戦中の1937年7月18日に国粋派側の空襲を受け沈没。画像は現役時代の写真で、甲板に並ぶのはフェリクストウFelixstowe F.3飛行艇。艦名の由来は、ギリシア神話のダイダロス(イカロスの父で、羽を発明して共に空を飛んだ)。
 基準排水量10800t(9900t?)、速力10kt、105mm×4、57mmAA×2
 搭載機:水上機×20機以上、係留気球×2、飛行船係留設備×1

「カングロKanguro」級潜水艦救難艦:保有数1隻(戦没艦なし)
潜水艦救難艦カングロ 1920年就役、1943年退役。オランダで建造の双胴型救難艦。共和派所属。
 満載排水量2750t、速力10knt

 このほかに各種小艦艇が存在する。以下、簡単に触れる。
 沿岸警備用の排水量350~800tの巡視船(日本語文献では「海防艦」「大型砲艦」などとも表記)を、共和派4隻、国粋派5隻保有。多くは、旧英海軍の哨戒トロール。植民地モロッコの地名にちなむ艦名を持つ。共和派は2隻を軽巡「セルベラ」に撃沈され、1隻はマラガ陥落時に自沈(国粋派が浮揚)。国粋派も戦艦「ハイメ1世」に1隻を沈められている(後、浮揚)。
 測量艦を共和派が2隻、国粋派が1隻保有。102mm×2程度の武装があるため、警備任務などに使用。共和派は全滅(空襲1隻、マラガで自沈1隻)。
 排水量800tの航洋曳船1隻を共和派が保有。武装76mm×1等。空襲により沈没。
 その他、漁業保護艇や哨戒艇、小型掃海艇など。
 また、魚雷艇5隻がドイツから、4隻がイタリアから、国粋派に供与されている(うち2隻は、内戦中事故で喪失)。同様に、ソ連製魚雷艇4隻が、乗員ごと共和派に供与されている(戦没2隻、鹵獲2隻)。魚雷艇の詳細は第7.5回参照

 なお一部資料では、共和派に砲艦「レミーヒオ・ベルドア少佐Remigio Verdoa」という艦名が見られるが、これはフェリー改造の特設敷設艦。1939年3月、空襲によりカルタヘナで沈没。戦後、復旧。

第7.5回へ続く
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