山猫文庫第3版

書評と軍事史関連のレポート、その他ニュースを見て感じたことなど日常のあれこれについて。 

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回転翼の海鳥たち(第8回)

8.海を渡るひよこ部隊
(承前)1944年1月3日、沿岸警備隊の実験ヘリコプター部隊に、緊急出動命令が下ります。任務は、輸血用血液の空輸。
 この日早朝、ニューヨーク沖に停泊中だった米海軍「ブリストル」級駆逐艦「ターナーTurner」が、爆発事故を起こしたのです。(画像は、準同型の「グリーブス」級。)uss_greaves.png
 あいにく吹雪に近い悪天候のため、ヘリコプター以外の航空機は離陸不能でした。そこで直ちに、基地から1機のHNS-1が、飛び立ちました。そして、見事に任務を成功させたのです。40組の輸血資材が運ばれ、多くの人命が救われました。

 同月末、今度は、対潜哨戒機としての、初の実戦任務を迎えます。
 英商船「ダゲスタンDaghestan」が、母艦としての改装を受け、飛行甲板などが設置されました。搭載されたのは、2機のHNS-1で、パイロットは英空軍と海軍、それに米沿岸警備隊の混成です。HNS-1には、11kgの小型爆雷8発が搭載できるようになっています。
 こうしてニューヨーク発リバプール行き船団に加入し、期待を受けて出港した「ダゲスタン」でしたが、結果は惨憺たるものでした。冬の大西洋は大時化で、ほとんど発着が不可能だったのです。「ダゲスタン」の動揺角は、常時10度を越えるという状態だったといいます。哨戒飛行が行われたのは、わずか2回のみに留まりました。
 以後の大戦中、連合軍側は、船団護衛に艦載ヘリを使うことは無かったようです。

uscg_cobb_r4.jpg しかし、艦載対潜ヘリとしての研究がストップしたわけではありません。米沿岸警備隊は、その後も巡視船「コッブ」を母艦として、研究を続けています。左のカラー写真は1944年に撮影されたもので、手前のHNS-1ヘリのほかに、奥には改良型のシコルスキーR-6が写っています。

 1945年2月には、「コッブ」搭載機に、ディッピング・ソナー(吊り下げ型のソナー)を装備させています。これは、もともと飛行船用に開発された機材を流用したものでした。こうしてヘリコプターは、着々と、潜水艦を追う「目と耳Eyes and Ears」として成長を続けていくことになります。(第9回へ続く

追記
 当時、米海軍は、多数の軟式飛行船を対潜哨戒に使っていました。
 うち1隻は、独潜との戦闘で撃墜されています。
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