山猫文庫第3版

書評と軍事史関連のレポート、その他ニュースを見て感じたことなど日常のあれこれについて。 

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死傷3割の損害は全滅なのか

「損耗率3割で全滅判定を喰らう事は軍事的には常識なのですが、世間にはあまり知られていません。」(週刊オブイェクト

 戦術用語での「全滅」は、日常用語とは異なって、一人の生き残りもいない状態を指すわけではありません。部隊としての組織的戦闘継続が不能になった状態を「全滅」と評価するからです。まあ、辻政信@ノモンハン事件の「全滅とは何事か!貴様たちが生きてるじゃないか!」という具合に、軍人さんでも日常用語の方を使うことはもちろんあります。
 さて、俗に損害が3割を超えると全滅だと言うようですが、これの出典はどこなのだろうと気になっています。厳密な定義ではなく経験則的なものなのでしょうが、誰が言い出したのでしょうか。
 探してみると、戦史叢書の「関東軍<1>」の681頁で気になる記述に行き当たりました。いわく日本陸軍においては、短時間に部隊の30%の打撃を受けた場合には一時的に戦闘力が失われ、50%の打撃を受けた場合には殲滅的打撃と判定していたのだといいます。これは日露戦争等での経験から得られた法則なのだそうです。戦史叢書の出典情報によれば、原典は陸軍大学校編「戦史講義録」(下巻、1925年)の鈴木重康中将(最終階級)となっています。
 もし、30%で全滅ルールというのが日本陸軍独特の経験則だとすると、ちょっと興味深い話だと思います。「戦史講義録」にあたってみたいところですが、あいにくと持っておりません。お持ちの方があれば、教えていただけると助かります。

追記
 この話題に関してTwitter上で興味深い発言が色々と出ていたので、まとめてみました。世の中って詳しい方がたくさんいるんだなと、とても参考になりました。
 「3割死傷で全滅が軍事の常識って本当なのか?」(Togetter)

参考文献
防衛庁防衛研修所戦史室「関東軍<1>対ソ戦備・ノモンハン事件」(朝雲新聞社、1969年)
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