山猫文庫第3版

書評と軍事史関連のレポート、その他ニュースを見て感じたことなど日常のあれこれについて。 

山烏賊

警告
 これから記す文章は、そこそこ気色の悪い内容です。虫嫌いの方、お食事中の方、ことにイカを召し上がっている方ご注意下さい。

 昨日夕食の支度をしようと、水菜を冷蔵庫から取り出したところ、
根本のあたりに、薄茶かかった灰色の2cmほどのヌラ光る細長い物体が見えました。
 なめくじ君です。
 ういやつよのうとばかり、親指と人差し指でそっとつまみ上げました。
 虫は嫌いではありません。イナゴの佃煮とか、蝉の缶詰とか、虫キャンディーとかも平気です。けれどさすがに生食はどうかなと思い、さっと湯通しして、ポン酢で食べました。もちろん、水菜のほう。
 ナメ君は、三角コーナーに叩き込んで、せっかくですので塩一つまみしてあげました。

 そのあと食事をしている最中に、イカの塩辛をつついていて思い出したのですが、「山烏賊」という話があります。

 旅人が、山奥の家に宿を求める。
 すると出された夕食の膳には、見慣れぬ一品が混じっている。主(あるじ)に何かと尋ねると、「山烏賊の酢味噌和え」だという。なるほど、言われてみれば烏賊に似ているような歯ごたえがする。
 後で、主が土間の隅で、筵(むしろ)をめくって何やらやっているのを見る。よく見ると、箸で何かを拾っているのだが……あれは……。

 御察しの通り、「山烏賊」とはすなわちナメクジだったという結末。
 言われてみれば、イカにも似ているかもしれません。少なくとも、イカの塩辛に混ぜられたら、きっと口に入れるまでは気付きませんね。少々泥臭そうですが。エスカルゴなんてものもあるわけですし、山中では貴重な蛋白源だったということも考えられなくも無い。
 ただ、本当の話なのかなと気になって考えだしたところ、大体、この話をどこで知ったのかが思い出せないんです。国語のテストで見かけたような、柳田国男とかその辺のような気もするのですが。
 ようするに、どなたか、この話の出典をご存知の方がいたら、教えていただけないかという虫のいい話です。特に御礼などできませんが、もし記憶にありましたら、お教え願います。

 なお、「山イカ刺し」なんてものが、実際に食べられるお店があるようです。こちらから、テレビ新広島の紹介ページを参照してください。
 山菜精進料理ということですから、こっちの「山イカ」はどうせウドのことだろうなと思ったら、実は(以下反転)「ワラビのクズを使ったイカの刺し身もどき」とのことです。いやあ驚きました。(参考:山陰中央新報


追記
 かぎむし番長様から、以下のような情報をいただきました。ありがとうございました。
『この山烏賊の話の出典は鶯亭金升著『明治のおもかげ』(岩波文庫)で宜しいかと思います。同書所収の「変な御馳走」(193頁~)中に、常盤津和佐太夫が秩父の山中のある家で"山烏賊の酢の物"を振る舞われるエピソードがあります。明治十五、六年頃の事とあり、実話の様です。私自身もこの"山烏賊"の件は気になっており、今でもこの食文化が残っていないか確かめようと思いつつ果たせないでいます。』
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