山猫文庫第3版

書評と軍事史関連のレポート、その他ニュースを見て感じたことなど日常のあれこれについて。 

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日本が台湾へウナギ輸出

 先日のウナギ禁輸かというニュース以来、日本のウナギについて少し調べていました。鰻蒲焼が大好物の身としては、やっぱり気になります。
 すると、日本は、ウナギ輸入国であるのと同時に、結構な輸出国でもあるという話が出てきて、なかなか興味を惹かれました。

 日本が世界最大のウナギ輸入国・消費国だということは、広く知られているかと思います。
 ところが、一方で、日本から台湾などへの養殖用ウナギ稚魚の輸出も盛んなようなのです。こちらの記事にあるような暴力団の資金源としてのシラスウナギ密輸でなく、正規のシラスウナギや「クロコ」稚魚輸出の話です。
 クロコとは、シラスウナギよりは成長した稚魚のことです。小さくてもウナギの格好をしています。
 一般にウナギ養殖というと、シラスウナギを捕獲してきて養殖池で成長させます。日本は、台湾(公称5t)などからの輸入も含め、平成18年は31.7t のシラスウナギを池入れしたとされます。数で言うと1億5千万尾くらいか。その生育途中で取り出して、今度は台湾へ向けて逆輸出するのです。

 なんでこんなややこしいことをするのかというと、(1)前掲のウナギ密輸の記事にもある日本向け輸出の穴埋めと、(2)台湾のウナギ養殖形態の特殊事情が関係しているようです。
 台湾では、シラスからクロコまでの養殖業と、クロコから成魚までの養殖業が独立しているのだそうです。需要にあわせて、クロコが取引される仕組みになっています。
 そして、日本でのシラス需要増大に応える形で、シラスを輸出する一方で、台湾でのクロコ需要にあわせてクロコを逆輸入する、一種の加工貿易方式が出来上がったのだと言います。日本としては、台湾産のシラコを確保することで、夏場需要に対応した生産量が保証されるメリットがあります。台湾としては稚魚需給を安定させつつ、高値の日本への輸出で利益を上げようという狙いでしょう。貿易振興などの事情も絡むようです。

 先日のニュースに出てきた台湾のウナギ禁輸という話も、実はこのウナギ加工貿易の歪みから生じた問題のようです。
 多分に私の推測ですが、この加工貿易システムの狙いだった稚魚需給の安定が、日本側でのシラス需要変化との連動により、かえって不安定化してしまったのが問題のようです。台湾国内でのシラス養殖が経営難になった一方、日本側からの稚魚輸出も、日本の貿易法制により統制されているため、適時な調整が難しいのがその背景と見えます。おまけに日本からの密輸出規制が強化されたことも関係しているようです。
 しかし、日本側としても、国内生産者や国内ウナギ資源の保護の観点から、そうそう規制緩和をするわけにもいかず、揉めていると。台湾側の禁輸検討の事情も同じようなものでしょう。
 どこで養殖しようと加工しようと、結局は日本人のお腹に収まるということを考えると、また妙な気分になりました。

参考資料
闇ウナギ 旧メクラウナギというものがあったが』(「リバーリバイバル研究所」より)
日本養鰻漁業協同組合連合会」公式サイト。統計など。
<うなぎ>日本養殖新聞」業界紙記者のブログ。
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