山猫文庫第3版

書評と軍事史関連のレポート、その他ニュースを見て感じたことなど日常のあれこれについて。 

中国ウナギに感謝しませう

 水銀だ、薬品だと評判の悪い中国産ウナギですが、どうやら私達日本人は、そんな中国ウナギに大いに感謝しなければいけないのかもしれない、という話。ここ数日ウナギの話ばかりですが、鰻好きなのです。

 日本在来種のジャポニカ種ウナギは、日本以外の東アジア各地、中国・台湾・朝鮮半島などに分布しています。
 ウナギは、海で産卵された後、川へ上ってきて成長する魚です。ジャポニカ種は、みな同じマリアナ諸島あたりで産卵すると言われます。つまり、中国産も日本産も出身地は一緒。
 そして、ここからがポイントなのですが、ウナギの場合には、遡上する川は決まっていないのではないかと言うのです。

 同じ海と川を行き来する魚のサケの場合、必ず故郷の川へ戻ってくるということが有名です。
 ところが、ウナギの場合、どの川に上るかは法則性が発見されていないと言います。親と同じ川に上るなら、遺伝子パターンが偏るはずなのに、今のところそういう結果は報告されていないのだそうです。同様に、ヨーロッパのアンギラ種やアメリカのロストラータ種も、産卵地はサルガッソーに決まっていながら、住み着く川はランダムらしいのです。
 考えてみれば、ウナギの場合、「故郷の川」には一度も行ったことが無いので、仮に決まった川に行くなら親からの情報伝達が必要です。それにほんの数センチしかないレプトケファルス幼生の状態で、はるばるアジア沿岸までやってくるわけですから、行き着く先は黒潮任せにせざるをえません。

 だとすると、一昨日に利根川で捕れたウナ吉の母親は、中国の揚子江で育った呉ナギさんかもしれないことになります。四万十川で育ったウナ子は、マリアナ沖で韓国済州島出身のウナギと結婚するかもしれません。
 実際のところ、日本の河川開発が進んだ時代、なんとか日本でのシラスウナギ漁獲の命脈をつないでくれたのが、中国などの未開発河川だったという説もあるようです。ダムなどの無い聖域で成長したウナギが、海で産卵して、その子が日本へ流れてきていたと。
 そういう意味で、国産信奉者の皆様も、ちょっと中国に感謝したほうが良いのかもしれません。台湾産稚魚を使ってない純国産は一味違うとか言ってると、たぶん恥ずかしいやつです。

 まあ困ったことに、その聖域だったかもしれない中国の河川もまずいことになっているようですが。
 今度は、日本の河川をもっとウナギが住みやすい環境にもどして、アジアのウナギを救う時というのは言いすぎか。(シラスウナギの来泳数にはエルニーニョ現象が絡んでるとか、遡上しないで海に定住するウナギが主要供給源だとか諸説あるようで)

追記
 上に書いたような話が本当なら、同じアジアの国同士で、これは「我国の資源」と言ってシラスウナギの囲い込みをやっても、あんまり意味が無い気がしてなりません。水揚げ地が台湾だろうと日本だろうと、同じ母集団から捕ってるんですから。
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