山猫文庫第3版

書評と軍事史関連のレポート、その他ニュースを見て感じたことなど日常のあれこれについて。 

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うさん臭い魚介には蓋をする?

『魚介類すっきり チョウセンハマグリなどハマグリに統一』(産経iza)
『「シナハマグリ」「チョウセンハマグリ」もハマグリでOK-。水産庁は、小売り販売の際に使える生鮮魚介類などの名称に関するガイドラインを見直し、関係団体などに通知した。原産国を記せば種にかかわらず「ハマグリ」とし、アキサケやトキサケなどの季節名も表示できるようになる。これまで「標準和名」の基本が厳密すぎて混乱を招いていたためで、「消費者の理解や流通の実態に近づけた」という。』(以下略)

 先日、鰻製品の原産地表示制度が割合にしっかりと整備されているので感心したのですが、このガイドラインにはあまり感心しません。(高級魚風の名称への規制や地方名に関する考え方などは理解できるんですが。)
 消費者の理解の実態に近づけたというのですが、あるべき理解の水準・情報提供の水準が前提として問題にされるべきです。たんなる現状追認では意味が無い。
 仮に、理解の一般的な水準が低くとも、知りたい人がいた場合に調べる手がかりとして、もっと理解する手がかりとして、種名はあるていど厳密であるべきです。

 個別的な適用に関しても、ちょっと疑問があります。
 例えば、ハマグリとチョウセンハマグリでは、味に違いがあるとするのが流通側の認識のようです。波崎漁協でも、『国内産はまぐりでも、内湾性(引用注:ハマグリ)のものと外洋性(引用注:チョウセンハマグリ)のものでは味が違います』としています。
 素人が普通に食べてわかるかどうかは別としても、一応の実態として区別されてるんです。

 混乱を招く(「あら、普通のハマグリは置いてないの?」)とかいうことは、わからないでもないですが、だから表示しないというのはいささか乱暴すぎる気がします。
 詳しく表示してあれば、例えば、昔のハマグリが採れなくなって、チョウセンハマグリに頼らざるを得ない環境になっていると気付きます。身近なことから環境を考える良いきっかけになります。
 そう、おおげさにいえば、食卓から地球環境に思いを馳せる食育の機会が奪われようとしているのです。はい、少し大げさに言い過ぎました。


追記
 チョウセンハマグリの和名の由来は、「朝鮮」ではなく「汀線」だという説もあるようで、茨城県の波崎漁協などはそうした見解を取っています。同県は、チョウセンハマグリの主要産地のようです。
 私は、単純に朝鮮はまぐりだと思うのですが。汀線というのは波打ち際のことですが、前述の通り、チョウセンハマグリはもっと沖の方に生息する種類です。朝鮮~という和名は多いですしね。

 国内ではチョウセンハマグリが主流と書きましたが、さらにいうと、輸入物のシナハマグリがハマグリ類消費のほとんどを支えるのが真相のようです。
 ハマグリの最大産地の有明海では、1970年代の1/20の150tに減少。チョウセンハマグリでも、鹿島灘で1000t以上だったのが700tに。両種合計で国内漁獲2000t以下(かつては30000t以上)といいます。うち7割以上はチョウセンハマグリ。
 一方、シナハマグリを主力とした輸入は、25000tから30000tと言います。

参考資料
「魚介類の名称のガイドライン」のとりまとめについて』(水産庁プレスリリース2007年7月30日)
波崎漁業協同組合」公式サイト。鹿島灘はまぐりについてのQ&A等。
蜃気楼をつかめ』(「Sophia Forest」より)
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