山猫文庫第3版

書評と軍事史関連のレポート、その他ニュースを見て感じたことなど日常のあれこれについて。 

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火星年代記

 火星大接近だそうです。
 毎年、同じ公転運動をしているようでも、最接近時の距離は、年によって大分揺らぐのだとか。
 そして、今年2005年は、大変接近している年になると。2003年にはもっと近づいたそうですが、今年の距離でも、火星はかなり明るく見えています。ピークは過ぎましたが、11月いっぱいは良く見えるとのことですから、たまには夜空を見上げて火星を探してみるのも良いかもしれません。


レイ・ブラッドベリ「火星年代記」
  小笠原豊樹訳(原題:“THE MARTIAN CHRONICLES”)(ハヤカワ文庫,1976)

火星年代記 (ハヤカワ文庫 NV 114)
総合評価:★★★★★
 1999年1月、一機のロケットが火星へと飛び立った。ほんの一瞬、夏がこの地上を覆った。
 火星人と接触した探検隊は、消息を絶ってしまう。しかし、第二、第三と探検隊が火星へと送られ、それに入植者が続く。こわいから来た人、こわくないから来た人、幸福だから来た人、不幸だから来た人、巡礼だから来た人、巡礼の気持ちを感じずに来た人。火星人の付けた名をロケットがハンマーのように打ちくだき、代わって新たな立て札が立てられてゆく。「鉄の町」「電気村」「第二デトロイト」……。
 オムニバス形式で送られる26編。
 ということで、火星接近にちなんで紹介しようと先月から計画していたのですが、気になって記事を書く前に調べてみたところ、すでに同じようなことを書かれている方を見つけてしまいました。残念。なので、詳しくはこちら「HANNAのファンタジー気分」をごらんになって下さい。

 ……というだけでも、さすがにどうかと思うので、重ならないよう多少。
 本書は、多分に文明批評的なものを含んだ作品です。その中でも、「月は今でも明るいが」で、探検隊員スペンダーが語る言葉、(地球人なら、色彩とは光が云々と分析するだろうが、)「ずっと悧巧な火星人はこう考えるでしょう。『これはいい絵だ。』」(116ページ一部略)というのが、テーマを端的に表している様に感じます。実は、それまでの章を読むと、火星人もスペンダーが思うほどは完璧な存在ではないのですが、それでも心にずしりと響きました。
 言論・思想統制をテーマとする「第二のアッシャー邸」も、本を扱う者の端くれにとっては、非常に興味深いものでした。

 本書中、2005年11月には、ついに全面核戦争が勃発してしまいます。幸いにも現実には、一応は無事に、2005年11月を迎えられているわけですが。
 と、最後までそっくりになってしまいました。すみません。

総合評価:★★★★★(風刺の効いた、無惨で、それでいてどこまでも優しげな物語。)
 
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