山猫文庫第3版

書評と軍事史関連のレポート、その他ニュースを見て感じたことなど日常のあれこれについて。 

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星ぼしに架ける橋

チャールズ・シェフィールド「星ぼしに架ける橋」
 山高昭訳(原題“THE WEB BETWEEN THE WORLDS”)(ハヤカワ文庫,1982年)

The Web Between The Worlds総合評価:★★★★☆
 世界最高の吊橋技術者ロブ・マーリンは、謎の大富豪レグロから、全長10万キロの橋の計画を依頼される。地上から静止軌道まで延びる軌道エレベーター計画だ。依頼を引き受けたロブは、秘密の機械「スパイダー」を使って作業に取り掛かる。
 ところが、作業を進めるうち、ロブはある疑惑を抱く。レグロが、自分の両親の死に関わっているのではないかと。そして、その周囲に見え隠れする「ゴブリン」とは何者なのか。
 疑惑が深まる中、建造は最終工程へと進んでいく。アーサー・クラークも驚いた、その建造法とは?
 アーサー・クラークによる序文付。(画像は英語版表紙)
 軌道エレベーターというSF小説上良く使われる仕掛けを、最初期に使った作品の一つです。わずか数ヶ月の差で、巨匠アーサー・クラークの「楽園の泉」に先を越されてしまったようですが。この二つの作品、あまりに良く似た点が多いので、どちらも模倣ではないよと釈明するために、クラークが本作の序文を書いています。
 軌道エレベーターとは、簡単に言うと、宇宙までエレベーター作ってしまおうという仕掛けです。ジャックと豆の木ですね。(現実の開発計画もあるようです。ある種の軌道エレベーターが出てくる作品として「地球の長い午後」も面白いです。)

 著者自身が本職のエンジニアであることもあって、技術的な話が色々書いてある、典型的なハードSFに仕上がっていると思います。「ゴブリン」なんていう中世ファンタジーめいたものも、実はSFしています。
 謎の富豪レグロが住む、自家用宇宙ステーション「アトランティス」が良いですね。巨大水槽があって、中には知能強化された巨大イカが住んでいます。

 ただ、物語としての出来は傑作とまでは言いがたいです。
 謎を組み込みすぎている気がします。謎の富豪、正体不明の美人秘書、「スパイダー」、「ゴブリン」、両親の死などなど。物語が進むうちに、全ての答えは明かされるのは良いのですが。
 中途半端なミステリー仕立てで、私はあまり好みでありませんでした。ミステリーとしてみると、それほど難しくも、なんともないです。

 なお、同様の世界観に基づく、同じ作者の作品が、いくつか邦訳されているようです。

総合評価:★★★★☆(SF史上の歴史的価値を加味して。)
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