山猫文庫第3版

書評と軍事史関連のレポート、その他ニュースを見て感じたことなど日常のあれこれについて。 

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奇怪動物百科

 友人と、あんこうという魚を食べました。
 店先に、吊るし切り風にぶら下がっていたお姿は、歯だらけの大口を開いて、どうみても悪いやつです。表面はトゲトゲかつヌメヌメ。
 お味のほうは、顔に似合わずさっぱりしたやつでした。こってりした酢味噌に合います。


ジョン・アシュトン「奇怪動物百科」
 高橋宣勝(訳) 原題“Curious Creatures in Zoology”(ハヤカワ文庫,2005年)

奇怪動物百科 (ハヤカワ文庫 NF (299))総合評価:★★★★☆
 旅人たちが出会ったと言い、過去の博物学者たちがその書物に記してきた、多くの不思議な生き物たちを紹介する「動物誌」。著者の模写した多数の図版を添えて、その驚異を生き生きと伝える。
『この本は学術書ではない。動物学的に珍しいものを、今日の一般大衆の趣味にあうようにまとめたにすぎない。』(「はしがき」より)
 ハヤカワ・ノンフィクション文庫に収められた本を、SFと呼ぶのは間違いかもしれませんが、「事実」を元に人間の想像力が振りかけられた読みものということで、SFとして分類しました。

 古くは古代ギリシャやローマ時代の博物誌、新しくはアメリカ合衆国の新聞記事までという、幅広い範囲を基礎資料として書かれています。著者は、ギリシャ語やラテン語に強いそうです。
 発見者の代表を挙げれば、アリストテレス、大プリニウス、ユリウス・カエサルといった人々です。発見者たちは、巻末のリストにまとめられており、これだけでも面白いもの。マルコポーロの名も見えます。
 生き物は、人間・鳥・海獣・爬虫類などのおおまかなグループごとに並べられています。グリフォンや一角獣といったモンスターから、神話的なケンタウロス、いまではごく普通の動物である「鯨」や「サイ」も出てきます。

 解説で、『本書の内容は、かつて100%完全なドキュメンタリーであった』と書かれている金子隆一氏には悪いようですが、やはり面白おかしく眺めているくらいで良いかなと思います。
 はしがきで紹介され、本文中にも多数登場する「ジョン・マンデヴィル卿」なる人物の旅行記があるのですが、実はこのマンデヴィル卿は架空の人物の可能性がある、と著者は言っています。ただ、卿の旅行記は、非常に魅力的な作品なのだそうです。
 おそらく、著者の意図したのは、ちょうどこのマンデヴィル卿の本なのではないでしょうか。そのくらいに受け止めたほうが、読む側が好きに「仮説」を立てられて、気楽で良い気もします。

総合評価:★★★★☆(とにかく素晴らしい挿絵を眺めながら、昔の人と驚きを共有。)
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