山猫文庫第3版

書評と軍事史関連のレポート、その他ニュースを見て感じたことなど日常のあれこれについて。 

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イタリア軍入門 1939~1945―第二次大戦を駆け抜けたローマ帝国の末裔たち

 好きなジブリ映画はなんですか。
 私は「紅の豚」と答えますが、なかなか同志はみつかりません。


吉川和篤/山野治夫「イタリア軍入門」
                 (イカロス出版,2006年)

イタリア軍入門 1939~1945―第二次大戦を駆け抜けたローマ帝国の末裔たち (ミリタリー選書)総合評価:★★★★★
 第二次世界大戦の同盟国ながら、日本では影が薄く、その脆弱性のみが話題とされてきたイタリア軍。
 しかし、彼らイタリアにも、古代ローマの栄光に恥じない、特筆すべき戦いぶりがあったのである。
 戦歴・装備から、兵士の食卓まで。多数の図版と共に語る、WWIIイタリアの画期的入門書。
 イタリア軍を扱った日本語文献としては、ほとんど唯一の書籍です。
 まず、主要な陸海空の兵器が紹介されています。弱いと言われるイタリア兵器で、戦車など実際お寒いものがありますが(日本はどっこいと思いますけれど。)、一方で、意外に優れた装備も紹介されています。装輪装甲車やベレッタ社の小火器など。
 ただ、あくまで主要なものを取り上げているだけで、点数はやや少ないです。

 戦歴も冴えない部分が多いですが、果敢なエピソードも少なくありません。東部戦線でのサヴォイア騎兵連隊の突撃や、海軍の小型艦艇部隊デチマ・マスなど。
 イタリアは大戦途中の1943年には降伏してしまいますが、その後の南北分断の戦いについても紹介されています。特に、連合国側の南王国軍の状況が書かれているのは珍しいのではないでしょうか。

 黒シャツ部隊MVSNや、カラビニエリ部隊など、複雑な組織体系も、簡潔にまとめてくれています。

 写真やイラストが豊富で、読んでいるとたいへん興味深いです。軍装イラストなどのカラーページが、10ページほど含まれています。北アフリカのサボテン林の中に潜む海兵隊や、出撃前のミサなどは初めて見ました。
 制服デザインはなかなか格好良いです。さすがイタリアと言ったところでしょうか。

 巻末に15冊もの発展的資料を紹介している点も、入門書としては大変すばらしいと思います。
 紹介されているのが洋書ばかりというのは、仕方の無いこと。逆に言えば、本書がいかに画期的かを示しているとも言えます。

 本書を読んで唯一残念な点は、イタリア軍は戦場でも美食という戦場伝説は、やはり伝説だったらしいというのが明らかになってしまったことです。砂漠でマンマの味のパスタは無理で、イタリア兵もビスケットを齧っていたとのこと。
 それでも、平時の食事には、きっちりワインが付いているのは、嬉しくなってしまいます。

総合評価:★★★★★(入門書としてはイタれり尽くせり。お値段も手ごろ。)
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