山猫文庫第3版

書評と軍事史関連のレポート、その他ニュースを見て感じたことなど日常のあれこれについて。 

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
    --:-- | Top  このエントリーをはてなブックマークに追加

星ぼしに架ける橋

チャールズ・シェフィールド「星ぼしに架ける橋」
 山高昭訳(原題“THE WEB BETWEEN THE WORLDS”)(ハヤカワ文庫,1982年)

The Web Between The Worlds総合評価:★★★★☆
 世界最高の吊橋技術者ロブ・マーリンは、謎の大富豪レグロから、全長10万キロの橋の計画を依頼される。地上から静止軌道まで延びる軌道エレベーター計画だ。依頼を引き受けたロブは、秘密の機械「スパイダー」を使って作業に取り掛かる。
 ところが、作業を進めるうち、ロブはある疑惑を抱く。レグロが、自分の両親の死に関わっているのではないかと。そして、その周囲に見え隠れする「ゴブリン」とは何者なのか。
 疑惑が深まる中、建造は最終工程へと進んでいく。アーサー・クラークも驚いた、その建造法とは?
 アーサー・クラークによる序文付。(画像は英語版表紙)

武装島田倉庫

椎名誠「武装島田倉庫」
          (新潮文庫、1993年)

武装島田倉庫 (新潮文庫)総合評価:★★★★★
 「戦争」で南北に国が分裂、荒廃し、異常生物がうろつく世界を舞台とした7話の連作短編集。

「武装島田倉庫」
 可児才蔵は、倉庫会社「島田倉庫」に就職した。
 北政府の操る白拍子の襲撃に備えるため、島田倉庫は武装をすることになった。

「泥濘湾連絡船」
 橋が修復不能なことに目をつけた漬汁屋は、渡し舟をはじめる。
 定吉は船の操縦をすることになり、盲目の超能力少女の誘導のもと、泥濘に乗り出す。

「総崩川脱出記」
 北政府軍の接近に、捨三少年たち一族は、逃避行を始める。

 「アドバード」「水域」と並ぶ、椎名誠による異常世界SF、シーナワールドのひとつです。
 説明無しに、奇妙奇天烈な生物や道具がでてくるのは、シーナ作品共通です。例を挙げておくと、フーゼル油、三足踊豆、壺口、ねご銃など。私が気に入ったのは、動物遺伝子を組み込んだ豆らしい三足踊豆と、フーゼル油で動く作業機械カニムカデといったところです。

タイムスリップ大戦争

 仮想戦記というジャンルの本があります。架空の戦争を題材としたSFのことです。
 架空といっても、たいてい歴史上の“IF”を題材にして、物語が作られています。例えば、「もしも山本五十六がもう一回人生をやり直したら(「紺碧の艦隊」)」とか、「もしも空母中心ではなく戦艦中心で太平洋戦争があったら(「八八艦隊物語」)」といった具合にです。
 仮定を持ち込むことで、なんとか歴史をひっくり返せないか(つまるところ日本を勝たせられないか)という話が人気のようです。逆に、もっと悲惨な仮定を持ち出す話(例:檜山良昭「日本本土決戦」)もありますけれど。

 そして、究極の手段として引っ張り出される“IF”が、SFではおなじみのタイムトリップです。現代日本の最新兵器を持っていけば、勝てるんじゃないの?と考えたわけです。例えば、2度も映画化された「戦国自衛隊」とか、イージス艦が過去に行ってしまう漫画「ジパング」といったところです。
 タイムトリップ型の仮想戦記は、いくつもありますが、その中で一番タイムトリップの規模が大きいのではないのかと思うものを、今日はお送りします。


豊田有恒「タイムスリップ大戦争」
             (角川文庫,1979年)

総合評価:★★★★☆
 小さな地震をきっかけに、奇妙な事件が起こり始める。今は使われていないはずの暗号電文の到着、米国から日本への物資禁輸通告、そして東京湾に突如侵入してきた旧日本海軍の軍艦。政府が達した結論は、日本列島は30数年前の西暦1941年の世界に時間移動したというものだった。
 日本政府は、その圧倒的な技術と軍事力を背景に、歴史の改変に乗り出す。ドイツ・イタリアに撤退を要求し、第二次大戦を終結させる。日本製品は世界市場を席捲。かくして、『日本の支配による平和(パックス・ジャポニカ)』が成立したかに見えたのだが……。

夏への扉

ロバート・A・ハインライン「夏への扉」
 福島正実訳(原題“The Door into Summer”)(ハヤカワ文庫,1979年)

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))総合評価:★★★★★
 ぼくの猫「ピート」こと「護民官ペトロニウス」は、冬になると決まって家中のドアを開ける様にせがんでくる。そのうちのどれかが夏に通じていると信じているのだ。
 そして1970年12月3日、かくいうぼくも夏への扉を探していた。夢だった発明の仕事も順調で、美しい婚約者もいたはずなのに。ついさっきまでは。そう親友と恋人に裏切られ、その全てを失くしてしまったのだ。
 とうとうぼくは、冷凍睡眠の契約をしてしまった。これで全てを忘れられる……。
 だが、それでいいのか。いや、その前に立ち上がって尋常に勝負を挑むべきだ。ピートならそうするように。

水域

 肌の乾燥が気になる今日この頃、いかがお過ごしのことでしょうか。
 私は、唇が荒れ果てて、飲み物がしみて困っております。唇の皮が少しささくれ立ってカサブタ風になると、それを無意識のうちに歯ではがしているのが、さらに症状を悪化させている気がします。
 そこで今日は、たっぷりと潤いのある、あるいはじとじとと湿った本をご紹介しようと思います。


椎名誠「水域」
        (講談社文庫,1994年)

水域 (講談社文庫)総合評価:★★★☆☆
 完全に水に覆われ、凶暴で危険な生物に満ちている世界。
 青年ハルは、湿ったおんぼろ筏で、一人水面を漂う。時折出くわす他の男たちに、だまされたり、もてなしをうけたり。
 ハルはいつしか、巨大な浮島に流れ着く。ハルの船は流木に押しつぶされ、あえなく失われてしまう。そして、ハルは、島で一人の美しい女に出会う……。
プロフィール

山猫男爵

Author:山猫男爵
ここは「塹壕文庫」「山猫文庫第二壕」に続いて三代目のブログになります。
連絡したいことがある方は、記事のコメント欄か、サイドバー下方のメールフォーム、あるいはツイッターから、お気軽にどうぞ。
Twitter:baron_yamaneko

最新記事
カテゴリ
検索フォーム
参加企画
にほんブログ村 歴史ブログ 近代・現代史(日本史)へ
にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ
リンク
FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール(不要ならそのまま):
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。