山猫文庫第3版

書評と軍事史関連のレポート、その他ニュースを見て感じたことなど日常のあれこれについて。 

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エンデュアランス号漂流

アルフレッド・ランシング「エンデュアランス号漂流」
   山本光伸訳(原題“ENDURANCE”) (新潮文庫,2001年)

エンデュアランス号漂流 (新潮文庫)総合評価:★★★★★
 1914年、南極大陸横断に挑む英国シャクルトン探検隊は、帆船エンデュアランス号に乗り込み、南極大陸をめざした。『至難の旅。僅かな報酬。極寒。暗黒の長い日々。耐えざる危険。生還の保障なし。成功の暁には名誉と賞賛を得る。』
 ところが、上陸を目前に、流氷によって囲まれて、航行不能に陥る。船は頑強に圧力に耐え続けたが、9ヵ月目に沈没してしまう。
 氷原に取り残された隊員たち。救援は期待できない。シャクルトン隊長は、自力での生還を決意して、全員を出発させる。総勢28名。目的地は、560km先、緊急備蓄のあるポーレ島へ。
 17ヶ月に及ぶシャクルトン隊の漂流を、隊員の手記や写真など豊富な資料によって描き出したノンフィクション。

光の雨

 暮れ行く2005年は、戦後60年ということで、世の中では太平洋戦争を振り返ることが多かったように思います。
 日本で「戦後」というと、普通は太平洋戦争後を指します。それ以来、日本は戦争を経験していないということですが、かかる日本で戦争を起こそうとした人々がいます。といっても10年前に世界最終戦争(ハルマゲドン)を企画した方の人々ではなく、それよりも前のほうの話です。
 本日お送りするのは、今日12月15日が誕生日の作者が代弁する、彼らの物語。


立松和平「光の雨」
        (新潮文庫,2001年)

光の雨 (新潮文庫)総合評価:★★★★☆
 予備校生の満也は、アパートの隣室に住む奇妙な老人に問いかけられる。
「君は革命を知っているか」
 玉井潔と名乗る老人は、自分はもうすぐ死ぬと言う。そして、どうかぼくの話を聞いて欲しいと、かつて「革命」を夢見た「兵士」たちが起こした「殲滅戦」について語り始める。
 14人の若者は、なぜ「同志」によって雪山で殺されなければならなかったのか。忌まわしい事件から60年を経た2030年、老人がつむぐ死者たちの言葉によって、その真相が若者に伝えられる。

火垂るの墓

 昨夜、テレビをつけると、久しぶりに松嶋菜々子さんがドラマに出ていました。
 題名は「火垂るの墓」。原作やアニメ版から、視点を「悪役」の西宮の小母さんからに変えて、それに合わせて若干の修正を加えた内容でした。節子役の子役の演技は大したものと思いましたが。


野坂昭如「火垂るの墓」
                 (新潮文庫,1987,二版)

アメリカひじき・火垂るの墓 (新潮文庫)
総合評価:★★★★★
 ジブリアニメで有名な表題作をはじめとした短編集。全6編。

火垂るの墓
  終戦から一月後、痩せこけ、便所へ行く気力もなくして、浮浪児が座り込む三宮駅構内、「今、何日なんやろ」とそれのみ考えつつ、清太は死んだ。片付けに来た駅員、ドロップの缶を見つけ、ふるとカラカラと鳴り、モーションつけて駅前の焼け跡、夏草の暗がりへ放り投げ、落ちた拍子にふたがとれて、骨のかけらが転げ、おどろいた蛍がとびかうが、やがて静まる。
 空襲で母と家を失った兄妹の餓死までの過程。

アメリカひじき
 妻がハワイ旅行で知り合ったヒギンズ老夫妻を迎えることになった俊夫は、元進駐軍のヒギンズを必死に歓待するうちに、いつしか戦後の焼け跡での思い出と、それが奇妙に重なっていることに気付く。

さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

山田真哉「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」
                        (光文社新書,2005)

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)
総合評価:★★★★☆
 文学部史学科卒の公認会計士で、作家でもある著者が、さおだけ屋をはじめとした「謎」を数字を通して解明するなかで、会計の本質を紹介していく一冊。
 さおだけ屋と利益の出し方、流行らない高級レストランと「連結経営」、自然食品店と「在庫」「資金繰り」、ほか「機会損失」「会計書」「回転率」「キャッシュ・フロー」について。
 巻末に50の定義集つき。

妖怪の民俗学

 奇怪な事件があるものです。
 『新宿駅で2人が尻を切られる』(毎日新聞)
 ようするにただの通り魔なのですが、「尻」というタイトルにびっくりしてしまいました。昔なら、さしずめカマイタチか、新種の妖怪尻裂き婆の仕業にでもなったところでしょうか。
 被害者もまさか、駅のホームでそんな目にあうとは思ってもみなかっただろうと思います。いつも使っている駅なのに、どこで異空間との境を越えてしまったのか。どうやら、白線の内側に下がるだけでは、身を守りきれないようです。


宮田登「妖怪の民俗学-日本の見えない空間-」
                          (ちくま学芸文庫,2002)

妖怪の民俗学 (ちくま学芸文庫)総合評価:★★★★★
 妖怪とは何モノなのかを、井上円了、柳田国男という先人の研究の再検討や、出現する場所、社会背景への考察を通して探る一冊。キーワードは、「若い女性」「たそがれ時」「都市の周辺」。
 1985年に岩波書店より出版されたものの文庫版。

 妖怪図鑑のような内容を期待していると少しがっかりするかもしれません。本書にも、口裂け女、枕返し、髪切り虫などいくつかの怪談・妖怪が紹介はされますが、それらは、あくまで検討材料の一つとして出てくるだけですので。
プロフィール

山猫男爵

Author:山猫男爵
ここは「塹壕文庫」「山猫文庫第二壕」に続いて三代目のブログになります。
連絡したいことがある方は、記事のコメント欄か、サイドバー下方のメールフォーム、あるいはツイッターから、お気軽にどうぞ。
Twitter:baron_yamaneko

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